当社は、国立研究開発法人 建築研究所(以下「建築研究所」)との共同研究による「四足歩行ロボットを活用した被災建築物の調査技術」について、一般社団法人 日本建築学会が主催する「2025年度日本建築学会大会」にて成果発表を行いました。
本研究では、被災した建築物と四足歩行ロボットの動きを仮想空間上に再現する「デジタルツイン技術」の開発とその活用方法を検討。災害現場において、安全かつ効率的な調査を実現するための有効性を示しました。
発表当日は、当社代表取締役社長の佐々木宣彦が登壇し、研究成果と今後の展望について紹介しました。
研究の背景
これまで当社は、建築研究所と連携し、四足歩行ロボットを用いた被災建築物の調査や、複数のロボットを連携させる運用技術の開発に取り組んできました。
災害時を想定したこれらの研究では、「ロボットとデジタル技術を掛け合わせた活用方法」の検証を進めてきました。
こうした技術は、人が立ち入りにくい危険な場所でも、安全に調査を行える点で高く評価されています。一方で、現場での実用化に向けては、「ロボットの操作性や安定性」、「操縦者の技術習得」、「遠隔での操作支援」といった課題も残されていました。
そこで今回の研究では、新たなアプローチとして“デジタルツイン”の技術を導入。実際の被災建築物とロボットの動きを3Dの仮想空間上で忠実に再現することで、事前に調査のシミュレーションが行える環境を構築しました。この仕組みにより、効率的な訓練や運用の標準化が可能となり、災害現場での実用性向上が期待されています。
論文発表の概要
名 称:2025年度日本建築学会大会(https://taikai2025.aij.or.jp/)
部 門:材料施工8 建設ロボット
日 時:2025年9月10日(水) 9:52〜10:40
会 場:国立大学法人九州大学 センターゾーン・ウエストゾーン センター2号館 2310室
論文名:「四足歩行ロボットによる被災建築物調査技術の開発 その4 デジタルツイン技術の開発と運用
方法の検討」
英題:Development of technology for surveying the damaged buildings using a quadruped rob
ot (Part 4: Development of Digital Twin Technology and Examination of Operational Methods)
発表者:佐々木宣彦(ポケット・クエリーズ)、宮内博之(建築研究所)